こんな症状の人はご相談下さい。
- 頭痛
- めまい
- 手足の麻痺(脱力感)・しびれ
- 言語障害(言葉がでない・呂律がまわらない)
- 視力障害・複視(両目で見ると物が二重に見える)
- 歩行障害
- 顔面けいれん・顔面の痛み
- けいれん
- 脳の検査で異常を指摘された
- 他病院で治療(手術)が難しいと言われた疾患
このような症状でお困りの際は、脳神経外科を受診して下さい。
また、わからないことは気軽にご相談下さい。
主な疾患と治療法
脳腫瘍
3テスラMRIなどの診断機器や、ナビゲーションシステム、ハイビジョン神経内視鏡などの手術支援システムを駆使した手術を行っています。また種々の術中神経モニタリングを併用し、機能温存に配慮した手術を実践しています。特に良性腫瘍では、病変の最大限摘出と機能温存を両立することを基本方針としています。悪性腫瘍の場合には放射線治療や化学療法を併用した集学的治療を行います。つまり腫瘍の種類(悪性度)や患者さんの要因(年齢や合併症など)を総合的に判断し、患者さん一人一人の病状に合わせてQOLを重視した治療法を行います。腫瘍が小さかったり深部に存在する場合には、手術治療だけでなく、ガンマナイフなどの定位放射線治療を行います。
対応疾患
髄膜腫、下垂体腺腫、聴神経腫瘍(神経鞘腫)、神経膠腫、転移性脳腫瘍、髄芽腫、悪性リンパ腫、などあらゆる種類の脳腫瘍
脳血管障害
当院には救命救急センターが併設されており、脳卒中専用のケアユニット(Stroke Care Unit; SCU)を備え、脳卒中医による当直体制のもと、多くの脳卒中(くも膜下出血 脳内出血 脳梗塞)の患者さんの治療を24時間365日体制で行っています。
急性期脳梗塞に対しては、脳神経内科、脳神経外科、放射線診断科、救命救急センターが協力して、超急性期治療であるt-PA投与(血栓溶解療法)、さらに血管内治療であるカテーテルによる機械的血栓回収療法を積極的に行っています。
くも膜下出血をきたした脳動脈瘤に対しては、近年の世界的傾向でもあるコイル塞栓術を急性期に行い、良好な成績を上げています。動脈瘤の形状等、従来からの脳動脈瘤クリッピング術が適している症例に対してはクリッピング術を行っています。近年のMRI等の診断機器の普及により未破裂脳動脈瘤が見つかった方も多数紹介されてきます。開頭脳動脈瘤クリッピング術と血管内塞栓術(カテーテルによる治療)の両者について、動脈瘤の発生部位や大きさ・形状、患者さんの状態などを総合的に検討して、より有利な方法を提案・選択するようにしています。
脳動静脈奇形(AVM)については、AVMの治療に伴うリスクとAVMの出血のしやすさや患者さんの要因を慎重に検討して、予防的外科治療が患者さんにとって有益と判断された場合に、血管内手術を併用した開頭摘出術を行っています。
脳梗塞の発症や再発を予防するために、バイパス術や頸動脈血栓内膜剥離術などの外科的治療を多数行っています。これらの手術は、術中神経モニタリングの監視下で術中エコー、術中血管撮影などの手術支援機器を積極的に利用し、徹底した安全管理のもと確実な手術を行っています。
当科では、もやもや病に対するバイパス術を積極的に行っています。小児の患者さんでは直接バイパス術と間接バイパス術を組み合わせた手術を行います。患者さんの成長・発達に伴って長期間のフォローアップをしております。
対応疾患
脳動脈瘤(未破裂)、くも膜下出血(SAH)、脳動静脈奇形(AVM)、頚部内頚動脈狭窄症、もやもや病、硬膜動静脈瘻、解離性動脈瘤、高血圧性脳内出血、脳梗塞 など
脳血管内治療
脳血管内治療とは、カテーテルと呼ばれる細い管を足の付け根や腕の血管から、レントゲン透視下で脳内の血管病変まで挿入して、血管の内側から病変を治療する新しい分野です。開頭手術に比較して、侵襲が小さいためこの30年で目覚ましく進歩しています。本治療法は、カテーテルや塞栓物質など治療機器の開発・進歩、手技の向上に伴い、その安全性・有効性が高まり、従来の開頭法による手術では治療困難であった様々な疾患が、あるいは昨年までどんな方法でも治療できなかった疾患も治療可能となることもあります。
対応疾患
脳動脈瘤、 脳動静脈奇形(AVM)、 脳梗塞(血栓回収)、 頚部内頚動脈狭窄症、 硬膜動静脈奇形 など
機能的脳神経外科
顔面けいれん、三叉神経痛
日常生活で苦痛となる顔面けいれんや三叉神経痛は、いずれも脳血管が脳神経を圧迫することによって生じる神経血管圧迫症候群です。内科的治療にて満足する効果が得られない場合には外科的治療をお勧めします。マイクロサージェリー技術を駆使した微小血管減圧術を行うことにより安全に治癒が可能な疾患です。
対応疾患
正常圧水頭症
高齢者の歩行障害、認知症、尿失禁などの症状の原因となる特発性正常圧水頭症に対して、CTやSPECTなどの画像診断と髄液排除試験(タップテスト)を行い、確実な診断を行っています。 治療効果があると判断された場合には、シャント術を行い良好な結果を得ています。
脊椎・脊髄・末梢神経疾患
手足のしびれや歩行障害などの症状は、脊椎や末梢神経の障害が原因である場合が少なくありません。日本では整形外科疾患と思われがちですが、欧米では脳神経外科医の主たる仕事の一つです。
私たちは、脳・脊髄・末梢神経の外科医(神経外科医)としての立場をとり、この分野にも力を注いでいます。安全性、低侵襲性と機能予後を最重視し、顕微鏡を用いた手術を実践し効果を上げています。
対応疾患
頸椎椎間板ヘルニア、後縦靱帯骨化症、頸部脊柱管狭窄症、変形性頸椎症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、すべり症、脊髄腫瘍、脊髄血管奇形、手根管症候群など
神経外傷
対応疾患
脳挫傷、急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、慢性硬膜下血腫、頭蓋骨骨折など
感染性疾患(脳膿瘍、硬膜下膿瘍など)
脳膿瘍に対してはドレナージ術を行っています。より正確な穿刺のために、エコー、ナビゲーション、定位脳手術といった先端技術を用いて行っています。