内 科
プログラム責任者:前田 光一(副院長 兼 感染症内科部長)
本プログラムは、奈良県北和医療圏の中心的な急性期病院である奈良県総合医療センターを基幹施設として、奈良県北和医療圏、西和医療圏及び南和医療圏にある連携施設・特別連携施設とで内科専門研修を経て超高齢社会を迎えた我が国の医療事情を理解し、必要に応じた可塑性のある地域の実情に合わせた実践的な医療を行えるように研修を行います。
研修期間は基幹施設1年以上+連携施設1年以上の計3年間になります。奈良県総合医療センター内科施設群専門研修では、症例をある時点で経験するということだけではなく、主担当医として、入院から退院〈初診・入院~退院・通院〉まで可能な範囲で経時的に、診断・治療の流れを通じて、一人一人の患者の全身状態、社会的背景・療養環境調整をも包括する全人的医療を実践します。そして、個々の患者に最適な医療を提供する計画を立て実行する能力の修得をもって目標への到達とします。
基幹施設である奈良県総合医療センターは、奈良県北和医療圏の中心的な急性期病院であるとともに、地域の病診・病病連携の中核でもあります。一方で,地域に根ざす第一線の病院でもあり、コモンディジーズの経験はもちろん、超高齢社会を反映し複数の病態を持った患者の診療経験もでき、高次病院や地域病院との病病連携や診療所(在宅訪問診療施設などを含む)との病診連携も経験できます。
外 科
プログラム責任者:高 済峯(副院長 兼 集学的がん治療センター長)
「医の心と技を最高レベルに磨き、県民の健康を生涯にわたって支え続けます」との奈良県総合医療センターの基本理念にのっとって、低難度から中・高難度手術まで多数の執刀経験が得られる指導体制を整えています。研修初期から目標とするサブスぺシャルティを意識しつつ、外科専門医研修を行うことができます。
奈良県総合医療センターは高度医療を担う病院として、多くの専門的手術をおこなっていると同時に、地域に密着した市民病院としての性質も有しており、専門的疾患のみならず、虫垂炎やそけいヘルニア、肛門疾患、外来処置可能な軽度の外傷などの一般外科疾患も多数扱っていることから、高度な手術から一般外科、緊急対応まで、オールラウンドな外科医師になるための修練が可能です。
奈良県総合医療センターでは消化器外科、呼吸器外科、乳腺外科を中心に、年間1000例を超える外科手術を行っており、それに加えて、2018年5月からは心臓血管外科手術が本格的に開始されました。手術機器をはじめとする手術環境は最新設備となっており、手術を経験するにはきわめて恵まれた環境にあります。 外科各サブスぺシャルティ領域の最先端の治療を行っており、日本肝胆膵外科学会高度技能指導医・専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医を含む多数の指導医が丁寧に指導します。ロボット支援下の消化器外科手術も行っています。 女性医師は年々増加傾向にあり、当施設群からも過去多数の女性医師を輩出してきました。 性別にかかわらず就業・キャリア形成ができるよう取り組んでいます。また女性医師が働きやすい環境整備にも努めています。若手医師のための保育施設も整っています。
小児科
プログラム責任者:吉田 さやか(小児科部長)
『小児科専門研修の目標』「小児科医は子どもの総合医である」という基本的姿勢のもと、「小児科専門医の医師像」を「子どもの総合診療医」「育児・健康支援者」「子どもの代弁者」「学識・研究者」「医療のプロフェッショナル」の5つの視点から明確にし、これらの視点をもとに研修プログラムにおける到達目標を設定しました。専攻医は、3年間の小児科専門臨床研修を通して、この小児科専門医の医師像を理解するとともに、プログラムにおける到達目標を達成することを目指します。 『小児科専門研修の使命』奈良県医療圏に限定せず、超高齢社会を迎えた日本を支える内科専門医として、①高い倫理観を持ち、②最新の標準的医療を実践し、③安全な医療を心がけ、④プロフェッショナリズムに基づく患者中心の医療を提供し、家族を含めた全人的な小児科診療を提供すると同時にチーム医療を円滑に運営できる研修を行います。
本プログラムを修了し小児 科専門医の認定を受けた後も、常に自己研鑽を続け、最新の情報を学び、新しい技術を修得し、標準的な医療を安全に提供し、疾病の予防、早期発見、早期治療に努め、子どもたちを生涯にわたって最善の医療を提供してサポートできる研修を行います。疾病の予防から治療に至る保健・医療活動を通じて子どもたち の健康に積極的に貢献できる研修を行います。将来の医療の発展のためにリサーチマインドを持ち臨床研究、基礎研究を実際に行う契機となる研修を行います。
産婦人科
プログラム責任者:佐道 俊幸(周産期母子医療センター長)
産婦人科専門医制度は、社会や患者の信頼が得られる標準的な診療技術と誠意を持つ産婦人科専門医を育成して、国民の健康に資する事を目的とします。産婦人科専門医として婦人科腫瘍、周産期、女性のヘルスケア、生殖医療の主要4領域や内視鏡手術、さらに医療過疎地における地域医療において基本的な診療技術と幅広い知識を習得し、幅広く、より高度知識・技能を持つことが求められます。 奈良県総合医療センター産科婦人科研修プログラムの特徴は、奈良県立奈良病院として1976年(昭和51年)に設立されて以来47年間、基幹病院として地域医療を担ってきた実績を生かし、実地臨床における豊富な症例の経験とリサーチマインドの育成をモットーとしているところです。そして男性医師・女性医師の分け隔てなく、個々の生活環境やワークライフバランスを考慮したきめ細かい指導を心がけています。具体的には、当直医へのバックアップ体制および当直明け早期退勤の推進です。婦人科チームと産科チームに分け、それぞれに指導医・担当医・専攻医・研修医を含むチームを構成し、診断と治療方針の決定における透明性と標準化および研修症例数の拡大と患者対応の連携補てん化が達成されています。さらに専門医取得のための研修にとどまらず、その後のサブスペシャルティ取得や学位取得の指導を行い、研修後の勤務地の選択にも協力します。また当センターでは、クリニカルクラークシップの医学生の研修応募が増加しています。また初期臨床研修医も2年間で30名前後が在籍し、1か月以上の産婦人科研修を必須としているため、専攻医は研修医の直属上司として教育と生活指導を担い、指導者としての修練も経験します。
麻酔科
プログラム責任者:葛本 直哉(麻酔科部長)
原則として、専門研修基幹施設での研修は1-3年、専門研修連携施設での研修は1-3年とし、必要症例数や勤務希望に応じ調整する。研修内容・進行状況に配慮してプログラムに所属する全ての専攻医が経験目標に必要な症例数を達成できるようにローテーションを構築する。地域医療の維持のため、専門連携研修施設で研修を行う。手術麻酔に加え、集中治療、救急医療、ER、ペインクリニック、緩和医療の研修を経験する。卒後早期から学会での発表や論文作成を行うことで、医師として必要なリサーチマインドを身につける。各個人の希望を重視し、そのキャリアパスを達成するためオーダメイドな研修計画を立案する。ママ麻酔科医制度などの実施の下、妊娠・出産や復帰後のキャリア維持を支援する。研修期間は麻酔科専門医取得までとする。
救急科
プログラム責任者:瓜園 泰之(救命救急センター診療部長)
専攻医のみなさんは本研修プログラムによる専門研修により、以下の能力を備えることができます。
1)様々な傷病、緊急度の救急患者に、適切な初期診療を行える。2)複数患者の初期診療に同時に対応でき、優先度を判断できる。3)重症患者への集中治療が行える。4)他の診療科や医療職種と連携・協力し良好なコミュニケーションのもとで診療を進めることができる。5) 必要に応じて病院前診療を行える。6)病院前救護のメディカルコントロールが行える。7)災害医療において指導的立場を発揮できる。8)救急診療に関する教育指導が行える。9)救急診療の科学的評価や検証が行える。10)プロフェッショナリズムに基づき最新の標準的知識や技能を継続して修得し能力を維持できる。11)救急患者の受け入れや診療に際して倫理的配慮を行える。12)救急患者や救急診療に従事する医療者の安全を確保できる。