どの所属においても主体的に行動できる
ジェネラリストの看護師を育成します。
奈良県総合医療センターのめざす看護師像は、どの所属においても主体的に行動できるジェネラリストです。そうした看護師を育成するため、ベナー看護論を基本に、看護師個々のキャリアを開発する目的で、臨床実践能力を段階的に示した習熟度段階を取り入れ、教育計画を立てています。
また、奈良県北和の基幹病院として、特定領域のスペシャリストを育成する責任を持っており、そのためのサポート環境も整備し、専門分野での活動を支援しています。
新人教育研修
当センターでは、1年間の新人看護職員卒後研修に加え、2年目の1年間を通して看護技術の総仕上げ研修を実施しており、みなさんが安心して学習できる2年間のサポート体制(バンビナースサポートシステム)を導入しています。また、看護実践能力習熟度段階に則った継続教育計画に基づき、生涯にわたって看護師個々のキャリアアップを支援します。
入職時オリエンテーション | 奈良県総合医療センターの概要を理解し、組織の一員、専門職としての自覚を持つことができる |
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バンビナース研修Step up Ⅰ | 自己の基礎看護技術を確認し、安全な看護実践を行うための準備を行う。 |
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1ヶ月振り返り研修 | 所属における臨床場面での悩みを共有し、今後の課題を見出すことができる |
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3ヶ月振り返り研修 | 看護チームのメンバーとしての役割を学ぶ |
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バンビナース研修Step up Ⅱ | 自己の看護技術を確認し、多重課題に対応できる臨床実践能力を養う。 |
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6ヶ月振り返り研修 | これまでの成長を振り返り、看護チームのメンバーとして責任ある行動をとることができる。 |
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次のステップへ(習熟度レベルⅠ-①(バンビファースト)を目指す。) | |
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看護過程の展開 | 1事例の看護過程の展開を通して、助言を受けながら所属部署の特徴的な疾患・治療の学習を深め、看護の視点を理解する。 |
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1年振り返り研修 | 1年間の看護経験を振り返り、次年度に向けての課題を見出す。 |
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次のステップへ(習熟度レベルⅠ-②(バンビセカンド)を目指す。) |
2年目
リフレッシュ研修(2回/年) | 関連部署での見学研修を通して、所属部署の特殊性の理解を深めるとともに、看護技術や組織の一員としての自覚、所属間連携について学ぶ。 |
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事例研究の基礎 | 臨床で研究を行うことの意味を理解し、事例研究を行うための基礎知識を学ぶ。 |
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プリセプター研修 | 次年度のプリセプターに向け、その役割を理解し、新人への効果的な関わり方を学ぶ。 |
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次のステップへ(習熟度レベルⅡを目指す) |
臨床実践能力の向上に向けて看護実践能力習熟段階の導入
レベルⅠ-① | レベルⅠ-② | レベルⅡ | レベルⅢ | レベルⅣ | ||
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必要に応じ助言を得て実践する | 標準的な実践を自立して行う | 個別の状況に応じた判断と実践を行う | 幅広い視野で予測的実践を行い、ロールモデルとなる | より複雑な状況において創造的な実践を行い、組織や分野を超えて参画する | ||
専門的・倫理的・法的な実践能力 | 倫理的·法的規範に基づき実践する | 個別の状況において、倫理的·法的判断に基づく実践を行い、規範からの逸脱に気づき表明する | 倫理的・法的判断に基づき認識した課題や潜在的リスクの解決に向け行動したロールモデルを示す | より複雑な状況において倫理的·法的判断に基づき行動し、倫理的かつ法律を遵守した実践のための体制整備に組織や分野を超えて参画する | ||
アカウンタビリティ(責務に基づく実践) | 自身の役割や能力の範囲を認識し、自立して行動·説明し実践への責任を持つ | 状況に応じ自ら判断して行動·説明し実践への責任を持つとともに、責任を果たす行動における自身の課題に気づき他者と共有する | 責任を果たすことについて同僚や組織における課題やリスクに気づき、解決に向けて行動する | 関係者がより複雑で多様な場面においても責任を果たし、組織や分野を超えて参画する | ||
倫理的実践 | 倫理指針等と目の前の実践を紐づけて理解し、倫理的指針に基づき行動する | 個別的な状況において、自身で判断し倫理的に行動するとともに、倫理的問題が生じている可能性に気付き他者と共有する | 顕在的·潜在的な倫理的問題について問題提起し、同僚に働きかけモデルを示す | より複雑かつ多重な顕在的·潜在的な倫理的問題について、解消のために組織や分野を超えて参画する | ||
法的実践 | 法令に基づき取るべき行動·取ってはいけない行動を知り、法令を遵守し行動する | 個別的な状況においても法令を遵守し行動するとともに、法令に違反する可能性がある行動に気づき他者と共有する | 法令に違反するリスクがある同僚の行動や組織の状況に対し問題提起する | より複雑な状況においても法令を遵守し、法令に違反するリスクがある行動や状況に対し組織を超えて参画する | ||
臨床実践能力 | 基本的な看護手順に従い、必要に応じ助言を得て看護を実践する | 標準的な看護計画に基づき自立して看護を実践する | ケアの受け手に合う個別的な看護を実践する | 幅広い視野で予測的判断をもち看護を実践する | より複雑な状況において、ケアの受け手にとっての最適な手段を選択しQOLを高めるための看護を実践する | |
ニーズをとらえる力 | 助言を得てケアの受け手や状況(場)のニーズをとらえる | ケアの受け手や状況(場)のニーズを自らとらえる | ケアの受け手や状況(場)の特性を踏まえたニーズをとらえる | ケアの受け手や状況(場)を統合しニーズをとらえる | ケアの受け手や状況(場)の関連や意味をふまえニーズをとらえる | |
ケアする力 | 助言を得ながら、安全な看護を実践する | ケアの受け手や状況(場)に応じた看護を実践する | ケアの受け手や状況(場)の特性をふまえた看護を実践する | 様々な技術を選択·応用し看護を実践する | 最新の知見を取り入れた創造的な看護を実践する | |
意思決定を支える力 | ケアの受け手や周囲の人々の意向を知る | ケアの受け手や周囲の人々の意向を看護に活かすことができる | ケアの受け手や周囲の人々の意思決定に必要な情報提供や場の設定ができる | ケアの受け手や周囲の人々の意思決定に伴う揺らぎを共有でき、選択を尊重できる | 複雑な意思決定プロセスにおいて、多職種も含めた調整的役割を担うことができる | |
協働する力 | 関係者と情報共有ができる | 看護の展開に必要な関係者を特定し、情報交換ができる | ケアの受け手やその関係者、多職種と連携できる | ケアの受け手を取り巻く多職種の力を調整し連携できる | ケアの受け手の複雑なニーズに対応できるように、多職種の力を引き出し連携に活かす | |
リーダーシップとマネジメント能力 | 基本的な業務手順に従い、必要に応じ助言を得て実践する | 業務手順や組織における標準的な計画に基づき自立して実践する | 個別的かつ一時的な状況における判断と実践を行う | 組織における安全かつ効率的・安定的な実践のための体制整備に主体的に参画し、同僚を支援する | 安全で効率的・安定的な実践を常に提供できるよう、組織や職種を超えた調整や教育に主体的に参画する | |
業務の委譲/移譲と管理監督 | 看護チーム内の他職種の法的権限や役割を知り、助言を得て、業務を委譲し、委譲した業務の実施確認をする | 看護チーム内の他職種の法的な権限や役割を理解し、自立して業務を委譲し、委譲した業務の実施確認をする | イレギュラーな状況においても看護チーム内で適切な業務の委譲および実施確認をするとともに、他職種の法的権限や役割を理解し、必要時業務を移譲する | 組織において、看護チーム内および他職種への業務の委譲・移譲や業務遂行のプロセスが安全かつ効率的に行われるよう、マニュアル等の見直しに参画する | 業務の委譲・移譲や業務遂行のプロセスが安全かつ効率的に行われるよう、組織や職種を超えた調整による体制整備に主体的に参画する | |
安全な環境整備 | 助言を得て、安全な環境整備に関わるルールに基づき行動する | 安全な環境整備に関わるルールに基づき自立して行動する | 事故や問題の発生時、人々や同僚の安全を確保し影響を最小限にする行動をとる | 事故や問題の発生時にも主体的に行動し同僚・後輩を支援するとともに、潜在的なリスクに対する平常時からの危機管理体制整備に参画する | 事故や問題の発生時・平常時の危機管理体制のの整備や見直しに、組織や職種を超えて主体的に参画する | |
組織の一員としての役割発揮 | 自身の業務を時間内・時間通りに行うとともに、組織(チーム等)の一員としての役割を理解する | 組織や業務実施の標準的な計画に基づき、業務の優先順位の判断や効率的な時間管理を自立して行うとともに、組織(チーム等)の活動に参画し同僚と協力する | 業務の実施の中で一時的にリーダーとしての役割を担い組織(チーム等)の目標達成のための業務の管理や改善を行う | 組織の目標達成のための業務改善や同僚の支援を行う組織のリーダーとしての役割を担い、改善すべき点は同僚・後輩にフィードバックする | 業務改善や人材育成のためにリーダーとしての役割を担い目標達成に参画するとともに、組織を超えた変革や人材育成に役割を発揮する | |
専門性の開発能力 | 専門職としての自身の質の向上を図る | 自身の質の向上を継続するとともに、組織の看護の質向上や組織の新人・学生の指導に関わる | 幅広い視野と予測に基づき自身と組織の質の向上するとともに看護の専門職組織の活動に関わる | 未来を志向し、看護の専門職として、組織や看護・医療を超えて社会の変革・創造や人材の能力開発に貢献する | ||
看護の専門性の強化と社会貢献 | 看護の専門職としての自覚をと社会から求められている役割の認識に基づき行動する | 保健・医療・福祉に関わる専門職としての自覚をもって行動し、組織の新人・学生のロールモデルとなる | 保健・医療・福祉の制度や政策に広く視野をもって専門職組織(職能団体や学会等)の活動を通じた提言活動や看護学の発展に関わる | 専門職(職能団体や学会等)に参画し、未来を見据えた制度・政策の改善・決定や、組織や看護・医療を超えた能力開発に関わる | ||
看護実践の質の改善 | 科学的根拠に基づき行動し、自身の看護実践を定期的に見直し質向上を図る | エビデンスに基づき自身や組織の看護実践の質の評価と改善を行うとともに、組織の新人・学生の指導を行う | 新たな知見や技術を取り入れ実践し、成果を可視化することでエビデンス構築に貢献するとともに、同僚・後輩の学習や能力開発を支援する | 看護・医療を超え新たな知見や技術を活用し組織を超え未来を見据えた変革・創造を主導・発信するとともに、看護実践の質向上を支援する | ||
生涯学習 | 自身の実践や能力の内省・評価や課題の整理を行い、適宜同僚等からのフィードバックも得ながら、学習を自ら計画的に行う | 自身に必要な知識や経験等を判断し多職種と共に学び合うとともに、自身の今後のキャリアを描く | 自身のキャリアの中長期的展望を描き、その展望に応じた多様な学びを継続し同僚・後輩のモデルとなる | 自身のキャリアに応じた学び直しや学習棄却を必要に講じて行うとともに、組織や看護・医療を超えて人材の生涯学習を支援する | ||
自身のウェルビーイングの向上 | 自身のウェルビーイングの向上の維持を図る | 心身の状況を判断してセルフケアを行い、自身のウェルビーイングを維持向上する | 自身や周囲の状況の変化を予測しながら自身のウェルビーイングの維持向上を継続し、同僚・後輩のモデルとなる | 自身のウェルビーイングの維持向上を継続するとともに、組織や看護・医療を超えて人材のウェルビーイングに創造的に関わる |
奈良県総合医療センター看護部 継続教育
教育理念
看護部の理念に基づき、組織の一員として、質の高いサービスを提供できる専門職者を養う。
目的
看護職員として自覚を持ち、看護部の方針に沿った看護の提供と、職員個々の成長を図るための教育企画および運営を行う。
“医の心と技”を最高レベルに磨く!
目標
- 看護のプロフェッショナルとしての“知識・技術”と“看護観、信念(マインド)”をもって患者のための看護を常に自問自答し、自分の行動に責任と自覚をもって「患者に心ある看護」を提供できる人財を育成する。
- スタッフを守り、育て、自分も共に育つという姿勢で、未来を見据えた共育を実践できる人財を育成する。
- ポートフォリオを活用し、「プロフェッショナルとしての自分らしさ」を自ら主体的に創り、看護実践に活かせるよう各個人のキャリア開発を支援する。
- 経営意識を持ち、変革に向けて建設的な視点で柔軟にマネジメントできる人財を育成する。
研修の様子
バンビ研修Step up Ⅰ
「患者を“みる”力」
フィジカルアセスメント・バイタルサイン
講師 市川診療看護師