当センターでは放射線部において医師・放射線技師・看護師および臨床工学技士の協力の下、患者の皆様に対する放射線を用いた質の高い医療を提供しております。
その放射線診療を統括する放射線科は、このたび(2021年1月)に放射線診断科と放射線治療科に改変され、担当領域の明確化が図られました。これまで以上に各々の領域において提供できる医療の質を高めていく体制を整えて参ります。
放射線科医は、
- いろいろな画像検査(CT, MRI, アイソトープ検査、消化管バリウム検査等)から得られた画像を使って、患者さんの病気(症状)の原因を診断します。
- 診断技術を応用して、今までは外科手術により治療されていた病気をカテーテルという細い管で低侵襲(身体に優しい)で治療します。
- 放射線を照射して悪性腫瘍(がん)を治療します。
原則としてこれらの検査・治療はあらかじめ予約制となっています。
診療案内
診療内容:
- 各種画像検査・診断:診療放射線技師が撮影した各種画像の読影(CT、MRI、アイソトープ検査等)と、自ら画像撮影を行い診断する各種検査(胃や腸など消化管バリウム検査、超音波検査、血管造影)
- 画像下治療
- 放射線治療
CTとMRI:
CTもMRIも、身体のあらゆる部位の断面を精密に映し出す装置で、今や画像診断の中心的役割を果たしています。CTはエックス線を、MRIは磁場と電波を用いて身体の断面を映し出します。当センターのCTとMRIはともに複数台あっていずれも高精度の装置であり、患者さんの病気の発見に寄与しています。
アイソトープ検査(RI):
身体に害の無いごく僅かの放射性物質(RI)を体内に注入し、その動きを高精度の検出器で測定して病気を診断します。この検査は臓器の機能(働き)の評価や悪性腫瘍の検出に優れており、全身の各種臓器に対して広く利用されています。新センターではこれまでのSPECT装置に加えてPET-CT装置も導入され、悪性腫瘍の検出がより高精度で行えるようになっています。
画像下治療(IVR):
放射線診断の技術を応用していろいろな病気を治療することを総称した言葉です。以前からIVR(インターベンショナルラジオロジー)として知られてきましたが、近年画像下治療という日本語名が正式決定しています。カテーテルという細い管などを使って数ミリ径程度の僅かな傷口だけで治療が出来る方法であり、身体にメスを入れる外科手術に代わって多くの病気がこの方法で治療出来るようになっています。
例:
肝臓がんの血管塞栓術・抗がん剤動注術や外科的処置が困難な出血の止血塞栓術
各種膿瘍の経皮的ドレナージ術や腫瘍組織診断のための経皮的穿刺組織採取術
その他(IVR症例登録について)
当センターで行っている画像下治療(IVR)は、その施行症例をIVR学会の症例登録システムに登録致しております。登録内容はID番号、年齢、性別、疾患名と施行手技、施行医師名等です。登録や閲覧は事前に登録されている学会所属医師のみに制限されており、医師のID・パスワード保護で行えるようになっています。
登録を行うことにより各施設の特徴が明らかとなり、全国の施設同士での症例の紹介や施行医の研修・技術の向上が図れることになっております。
患者さんの氏名や誕生日、住所などの個人情報は登録されず、制限された閲覧での運用となっておりますので、ご理解のほどお願い致します。