心臓血管センター
循環器内科医と心臓血管外科医がハートチームとして今まで以上に連携し、質の高い医療を提供するために、新センターへの移転を機に、2018年に心臓血管センターが設立されました。この4年で様々な高度先進医療実施のための施設基準をクリアーし、先進的な循環器医療を推進してまいりました。奈良県民のニーズに答えて、第一線の循環器診療に取り組みます。
センター長あいさつ
心臓血管センター設立の理念
以前は外科と内科の診療は明確に分かれていましたが、今は循環器内科が皮膚を切開してペースメーカーやICDを植え込みますし、外科も大動脈瘤に対するステントグラフト治療や末梢血管の血管内治療などカテーテルで治療することが多くなり、その境界は不明瞭になってきました。また、カテーテル弁置換術のように共同でする治療が増加してきました。加えて、治療適応にあたっては、立場を超えて意見を出し合って患者のための最善の方法を選択することが極めて重要です。このため、循環器内科、心臓血管外科の垣根取り除いて、協力して循環器疾患患者を診療するために設立されました。北和地域の循環器疾患の拠点病院として、全国のトップクラスの先進医療の実現をめざしています。
a)カテーテル大動脈弁置換術(TAVI or TAVR)
大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療で、高齢者やハイリスク患者のための治療です。2021年3月16日に第1例目の治療に成功して以来、多職種から成るTAVIチームが一丸となって治療に当たっています。毎週火曜日に治療しています。治療時間は1-2時間で5日から1週間で退院していることが多いです。
b)急性冠症候群へのカテーテル治療(PCI)
狭心症や急性心筋梗塞のための治療で、door to balloon time 90分以内を目指して24時間365日断らない医療を実践しています。
c)大動脈緊急症患者への手術
急性大動脈解離や大動脈瘤破裂に対して人工血管置換術やステントグラフト治療を行います。救命のために最も迅速な対応が必要な疾患群です。このため、激しい胸痛の人や大動脈瘤を疑われていた人が急変した場合には、連絡して直行ください。24時間体制で臨んでいます。
d)重症心不全治療
急性心不全に対してECMOやIABPなどの補助循環装置を駆使してきましたが、2022年1月からIMPELLA補助循環装置も使用できるようになりました。2022年は12人の重症心不全患者にIMPELLA補助循環装置を使用して約6割の人を救命できました。
e)末梢血管疾患に対する治療
2021年4月から末梢血管専門医が加わり、血管内治療は更に充実してきました。血管内膜摘除後血管内治療するハイブリット治療も増加しています。
f)不整脈治療
カテーテルアブレーション治療は毎週行われており、安定した成績です。弁膜症などに合併する心房細動は外科的に治療も行なっています。
g)成人先天性心疾患
2019年4月に成人先天性心疾患学会連携施設になっており、この疾患患者の外来加療、手術を行なっています。(毎週火曜日外来)
紹介していただく先生へ
外来診療につきましては、循環器内科、心臓血管外科共に診療予定表を参照ください。毎日対応しております。
平日昼間は☎0742-46-6001(代表)にて医師をお呼び出しいただければ直接相談できます。
心臓血管センター長 山中一朗
副院長(内科部門責任者)川田啓之
循環器内科部長 添田恒有
心臓血管外科部長 仁科 健
なお、時間外の緊急時は救命救急センターがまず対応します。
診療体制について
予約診療のみならず、救急疾患にも24時間対応しています。循環器疾患は病気の中でも、診断、治療を最も急ぐ診療科です。特に
急性冠疾患症候群、急性大動脈症候群など、
胸痛を要する疾患に対しては、いつでもご連絡ください。
TEL:0742-46-6001(病院代表)
24時間繋がります。