当センターの皮膚科の特徴
当科では様々な皮膚疾患の内科的、外科的治療を行っています。
皮膚腫瘍や自己免疫性水疱症の治療では、奈良医大皮膚科と連携して正確な病理組織診断を行って治療方針を決めています。また母斑や熱傷、瘢痕についても形成外科的手技を用いてQOLを重視した治療を心がけています。
また病診連携の立場から、奈良県北和地区や京都府相楽郡の一般病院や開業医との連携を密にするよう努力しています。
フットケア外来
フットケアは、糖尿病をもつ方や足の病気の患者さんのQOL向上のために、大変重要なものです。
特に、糖尿病で血糖値の高い状態が続くと、神経障害や血流障害、抵抗力の低下が引き起こされることもあり、神経障害があると、足の痛みがわかりにくくなり、足が傷ついても早期発見が難しくなります。また、血流障害や細菌などの感染に対する抵抗力が低下し、傷(きず)が治りにくくなり、潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)などの重大な足病変に進行することがあります。
日ごろから、できるだけ毎日足をよく見て、適切なケアを身に付けましょう。
フットケア外来は、足を守ること・ご自身(周囲の協力を含めて)で日頃のケアができるようになることを目的に、皮膚科医師、糖尿病療養指導士、皮膚・排泄ケア認定看護師が中心となり、予防ケア・セルフケアの支援を行っています。状態に応じて、義肢装具士、整形外科医師、循環器内科医師、血管外科医師、糖尿病・内分泌内科医師などと連携をとりチーム医療を行っています。また、継続したケア・処置が必要な場合やご自身でのケアが難しいときは、近隣の病院や社会資源を活用し、地域とも連携しています。
当センターのフットケア外来の特徴
- 糖尿病の合併症のひとつである糖尿病性足病変の予防・治療を中心に、皮膚科医師の指示のもとケア、セルフケア支援に取り組んでいます。
- 皮膚科医師と一緒に行っているため、皮膚病変の診断と治療もすぐに開始できます。
主な対象者
♦ 糖尿病をもつ方で、下記の診断がされている方
- 糖尿病神経障害 ・閉塞性動脈硬化症
- 足潰瘍や足趾・下肢切断の既往がある
- その他、足にトラブルがある方、セルフケアが必要な方 など
♦ 皮膚科医師が、足の病気に対して、合併症予防やセルフケアが必要と判断した方
主な診療内容
- 爪の整爪・補修:爪切り、専用の器械で研磨
- 巻き爪・陥入爪:整爪、テーピング療法など
- タコ・ウオノメ:専用のカッターを用いて削る
- みずむし:適切な外用療法や内服薬の処方など
- 皮膚の潰瘍:きずの処置
フットケア外来の流れ(初診時)
- 皮膚科医師の診察
- 問診:生活状況・セルフケア状況・介助支援者など
- 観察:視診・触診・履き物・歩き方など
- 検査:神経感覚検査・血流検査など
- ケア・処置・医師診察:足浴、足の状態に応じたケア・処置、インソール/靴の作成など
- アドバイス:日常のケア方法・注意点、ご自身・支援者へセルフケア方法、糖尿病療養生活支援など
フットケア外来日
毎週金曜日:午前9:30~13:00(予約制です)
場所:看護師外来 または 皮膚科外来
所要時間:30分程度、糖尿病の初診患者さんは60分程度(問診・検査を含む)
受診方法
他院からの初回受診の場合、まず、当センターの皮膚科受診のご予約をおとりください。
ホームページ:奈良県総合医療センター 地域医療連携室