放射線治療科

緩和的放射線治療:

がんによる痛みや症状を軽減するために行う治療方法の一つです。治療の目的は病気を治すことではなく、患者さんの生活の質を向上させることにあります。
痛み、出血、呼吸困難などの症状の緩和に効果があります。当院では約3割の方が緩和目的の照射を受けられており、その内の約半数は骨転移(痛み)に対する照射です。
通院回数を極力減らすべく、当院では積極的に単回照射を行っています(1回で照射が完遂。一般的には10回程度の通院が必要)。適応については担当医にご相談下さい。
単回照射 2023年度:59件(全患者数のうち約1割程度)

高精度放射線治療:

当院ではIMRT(強度変調放射線治療)、定位放射線治療(ピンポイント照射)、画像誘導放射線治療などの高精度放射線治療を行うことができます。
2022年には日本放射線腫瘍学会(JASTRO)の認定施設となりました。

IMRT(強度変調放射線治療):

従来の照射はビームの強さや形が一定でした。IMRTではビームの強さや形を細かく変化させることにより、腫瘍のあるところに線量を集中させ、周囲の臓器への線量を抑えることが出来ます。脳腫瘍、頭頸部癌、肺癌、食道癌、膵癌、直腸(肛門管)癌、前立腺癌、婦人科腫瘍など様々な腫瘍で行っています。

脳腫瘍IMRT

脳腫瘍IMRT:
脳腫瘍へ線量を集中させつつ、正常脳や眼球などの線量を抑えることが出来ます。

頭頸部癌IMRT

頭頸部癌IMRT:
複雑な形状の照射範囲をカバーしつつ、口腔内や唾液腺の線量を抑えることが出来ます。

肺癌IMRT

肺癌IMRT:
肺腫瘍や縦隔リンパ節への線量を集中させつつ、正常肺や心臓への線量を抑えることが出来ます。

食道癌IMRT

食道癌IMRT:
食道腫瘍や縦隔リンパ節への線量を集中させつつ、肺・心臓への線量を抑えることが出来ます。

前立腺癌IMRT

前立腺癌IMRT:
前立腺へ高線量を投与しつつ、膀胱・直腸の線量を抑えることが出来ます。(当院では超音波による画像誘導放射線治療を行っています。)

直腸(肛門管)癌IMRT

直腸(肛門管)癌IMRT:
直腸(肛門管)腫瘍・骨盤内リンパ節への線量を集中させつつ、膀胱や小腸への線量を抑えることが出来ます。

定位放射線治療:

通常照射では30回程度(約6週間)の治療回数が必要であり、IMRTにおいても線量集中性は良くなりましたが、同程度の日数がかかります。
小さい腫瘍(一般的には3㎝以下)に限っては1回の線量を増やすことで照射回数を減らすことが可能となりました。
脳転移は1回 or 5回、肺癌(肺転移)は4回、肝細胞癌(肝転移)・オリゴ転移に関しては5回照射を行っています。

定位放射線治療

定位放射線治療

定位放射線治療

左から脳転移(この症例は5か所)、肺癌(肺転移)、肝細胞癌(肝転移)

オリゴ転移とは:

オリゴは「少数の」という意味があり、保険診療上は5つ以下の転移に対して定位放射線治療を行うことが可能です。
近年は化学療法や免疫療法などの進歩もあり、遠隔転移を有する患者様でも長期生存例が増えてきました。
従来の緩和的放射線治療では一時的な症状緩和は得られても、効果が持続しないケースがありました。
少数の転移であれば、定位放射線治療を行うことで、長期の局所効果を得ることが可能となってきています。

オリゴ転移

オリゴ転移

オリゴ転移

左から腎細胞癌の側頭骨転移、直腸癌のリンパ節転移、食道癌のリンパ節転移

画像誘導放射線治療:

放射線治療装置上で撮影可能なX線画像やCTにて位置を合わせることが一般的です。
当院では前立腺癌に対しては超音波を利用した画像誘導放射線治療を行っており、治療前・治療中に被曝なしで前立腺の位置照合を行うことが可能です。
現在はCTとの併用で臨床試験を行っていますが、将来的には超音波のみでの位置照合を行う予定です。

画像誘導放射線治療

前立腺癌IMRT:

会陰部(股の間)にエコーを装着した状態で治療計画CTを撮影。
CT画像とエコー画像を重ね合わせることで、治療時の前立腺位置をエコーで照合することが出来ます。

放射線治療照射装置:

Elekta社のVersa HDとSynergy

当院ではElekta社のVersa HDとSynergyを採用しています。
いずれも高精度放射線治療が可能な機種となっています。

放射線治療計画装置:

通常照射にはPhilips社のPinnacle、高精度放射線治療にはElekta社のMonacoを採用しています。高精度放射線治療では照射装置と計画装置、両方の高精度化が必要です。
2022年には放射線治療計画の技術を競う第4回Monaco Plan Competition(肺癌の定位照射)にて特別賞をいただくことが出来ました。

第4回Monaco Plan Competition(肺癌の定位照射)にて特別賞受賞

放射線治療照射装置

Monacoを使用した肺癌の定位照射(固定多門照射)(Competition 提出時のもの)

放射線治療計画支援装置:

放射線治療計画において、腫瘍や周辺臓器の輪郭を決定するコンツーリングという作業があります。
当院では放射線治療計画支援装置としてFUJIFILM社のSYNAPSE Radiotherapyを採用しています。
これはAIによる自動輪郭入力が可能な装置であり、人が数分から数十分かかっていたコンツーリングを数秒で自動入力することが出来ます。
また、腫瘍の輪郭入力を補助する機能もあり、臨床試験を検討中です。

頭部

頭部:
脳・脳幹・両レンズ・両眼球・両視神経・下顎骨・両耳下腺が自動入力されています。

体幹部

体幹部:
両肺・心臓・肝臓・脊髄が自動入力されています。

骨盤部

骨盤部:
膀胱・直腸・前立腺・両大腿骨頭が自動入力されています。

表彰状

放射線治療は医師・技師・看護師・受付・セクレタリーと多職種チームで活動しています。
令和4年には放射線治療科グループとしての評価を受けることが出来ました。

放射線部(放射線治療)のページ

外来担当表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
放射線治療科 (放射線治療)/一診 石川 石川 大熊 石川 福田
放射線治療科 (放射線治療)/二診 福田 福田 午前:堀川
午後:石川
福田 午前:高濱
午後:堀川
外来受付:午前8時30分~午前11時00分まで(予約、急患を除く)
診療受付のご案内

TEL 0742-46-6001

※番号非通知はつながりません

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曜日~曜日

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